国内初のステーションホテルとして開業し、大正13年に再建された山口県下関市の旧「山陽ホテル」の解体作業が14日、始まった。ベーブ・ルースやヘレン・ケラーらも利用した名門ホテルだ。解体された建物の一部が交通科学博物館(大阪市)に保存される。 この日は安全祈願祭が行われ、建物の前では市民が集まり、鉄道唱歌などを歌って別れを惜しんだ。 山陽ホテルは、山陽鉄道が明治35年、旧下関駅近くで開業。その後、火災で焼失したが、大正13年に今に残る地上3階、地下1階の建物が再建。朝鮮半島航路の発着点で海外の著名人や政財官界の要人らも宿泊や休憩に利用。皇族用の貴賓室もあった。 しかし、下関駅の移転に伴って昭和17年に廃業。戦後は、国鉄やJR関連企業の事務所に使っていたが、平成15年、耐震性に問題があるとして所有するJR西日本が閉鎖し、取り壊しを決めた。JR西は「貴重な文化財という認識はあるが、維持や改修はコス