名古屋市博物館は2日、豊臣秀吉が大名や家来に宛てた手紙や命令書をまとめた文書集を初めて刊行すると発表した。秀吉の素顔も垣間見える。愛知ゆかりの三英傑で織田信長、徳川家康は1970年代までにまとめられたが、秀吉については文書が膨大で散在し、進んでいなかった。 市博物館によると、秀吉が出したと確認されている文書類は約7千通。信長は約1400通、家康は約3700通で、個人の発給では秀吉が群を抜く。宛先は家康や毛利輝元ら大名から茶人や公家、寺社まで多岐にわたる。同館は秀吉が地元出身の縁で文書集の編集委員会を設けて全国から文書を集め、筆文字の解読、年号や人名の特定を進めてきた。