国民的演歌歌手・吉幾三さんの出世作となった「俺ら東京さ行ぐだ」。出身の青森県北津軽郡金木町の田舎ぶりをオーバーに歌った自虐ソングといわれ、大いに人気を博しました。 金木町の荒馬踊りの様子<出典:『金木郷土史』> しかし同時に、「さすがにここまでド田舎じゃない!」と、地元金木町からはたくさんのクレームをもらってしまったとのこと。ですがあの曲の舞台は、(歌詞の一部分を除き)曲が発表された1984年ではなかったよう。後に吉さんはこう告白しています。 田舎を出てきたときの気持ちを歌にしようと思った。「なんにもないのがイヤで出てきたんだよな」。テレビもねぇ、ラジオもねぇ、車もそれほど……。田舎にないものをぶつぶつ言いながら書き出すうち、いつしか調子をとっていた。 (中略) でも、地元の反応は散々。「今はテレビもラジオもある、ばかにするな」と事務所まで抗議の電話がきた。吉さんが「子どもの頃はなかっただ