台風13号の目。月に照らされ壁のような雲が見えた。左は観測機のプロペラ(13日未明、先島諸島付近上空で)=鷹見安浩撮影 【グアム=野依英治】沖縄県・与那国島に接近した台風13号の規模や進路を正確に把握するため、米空軍の「ハリケーン・ハンター」10人が12日夜、WC130機で米グアム・アンダーソン米空軍基地から飛び立った。 この観測に本紙記者とカメラマンが同行した。 観測機は北西に針路をとり、まもなく暴風域に。機体は小刻みに揺れ、時に大きく乱高下する。風速20メートルを超す台風に、木の葉のように翻弄(ほんろう)される。 そして13日午前1時すぎ、観測機は高度3000メートル前後を飛行しながら、ちょうどバウムクーヘンのように環状に発達した積乱雲を突っ切って、台風の目に突入した。 あれほど荒れ狂っていた台風がここでは静まり、見上げると、晴れあがった上空には月がぽっかり浮かんでいる。脇に目をやると