働きやすい職場を作ることは、一朝一夕にできることではありません。「お前は一体、何回言えば分かるんだ!」という怒りの決まり文句がありますが、ある著名な教育者は実体験を通じて「500回」と言っていました。 500回と聞くと「そんなに必要なのか」と思いますが、ビジネスにおいて「分かる」とは、言葉の意味を理解し、行動を変容させること。そのために1日2回言ったとして1年ぐらいかかると考えれば、大げさな数字ではないと思います。(文:人材研究所代表・曽和利光) 組織は「8つの壁」を乗り越えて変わっていく 職場の理想像を描くのは比較的簡単ですが、職場を構成する人々にその思いを伝えて、共感してもらい、行動に移してもらわなければなりません。ところが、それが難しいから、良い職場はなかなかできないのです。 例えば「一度決めた目標行動は必ずやりきることが大切だ」というようなことを「分からせる」ためには、1年でも短い