緻密な取材で事実を深く掘り下げ、社会に問題意識や新たな知見をもたらしてきたノンフィクションが岐路を迎えている。この分野でほぼ唯一の専門誌「G2」(講談社)が5月刊行の第19号を最後に休刊した。インターネットの普及によってメディア環境が変化し、情報との付き合い方が変わりつつある現在、ノンフィクションはどうあるべきか。関係者に聞いた。(戸谷真美) ネットとの相性に課題…読者との接点を模索「厳しい状況のなかでも、僕らには『良いものを作れば届くだろう』という思いがどこかにあった」。最終号となった「G2」19号で編集人を務めた青木肇さんはこう振り返る。同誌は平成20年に休刊した総合誌「月刊現代」の後継誌として21年に創刊。大御所の立花隆さんや佐野真一さんらはもちろん、若手の古市憲寿さんらも積極的に起用した。だが最近の発行部数は約6千部、実売は3千部程度に落ち込んでいた。 ノンフィクションの主な発表媒