米シリコンバレー銀行の破綻に続き、スイスの金融大手クレディ・スイスも経営危機に陥った。救済のため、3月19日、スイスの金融最大手UBSが同グループを買収すると発表した。 チューリッヒ大学でスイスの金融史を研究してきた現代史教授トビアス・シュトラウマンは、「この買収で市場は落ち着く」と、スイス紙「ル・タン」に述べる。彼は、クレディ・スイスの問題は、「不祥事を繰り返し、それに伴って損失を何度も出してきた。しかし、問題への対応が遅かった」ことだと指摘する。 独裁者を助けてきたクレディ・スイスの闇 では、クレディ・スイスはどんな不祥事を引き起こしてきたのだろうか。スイス紙「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」によると、まず、同行は、世界の独裁者や犯罪組織などの不正資金を長年受け入れてきた。