下川正謡会の本番が終わる。 社中のわれわれにとっては「一年で一番長い日」である。 楽屋でドクター佐藤とお茶を飲みながら、「どうして、オレたち、こんなに苦しいことを自腹切ってまでやってんだろ」と顔を見合わせる。 舞囃子で能舞台に立つことのストレスに比べたら、学会発表なんか、何でもないですからねとドクターが答える。 ほんと。これに比べたら、講演とか学会発表とか、ピクニックみたいなもんだよね。 なるほど、そういう訳か。 人間は同時に二つの苦しみを苦しむことができない。 私は前に激しい胃痙攣の発作を起こしたとき(わさび漬けをアテに白ワインを飲んだのである)、廊下のドアにしたたかに顔面を打ち付けて顔の半分を紫色に腫れ上がらせたことがあるが、このときも、胃痙攣の発作が治まるまで、顔に痛みがあることに気づかなかった。 なるほど、そういう訳なのだよ。 われわれは年に一度この舞囃子の舞台というものがあって、
日本橋高島屋8階ホールにて開催中の 細見美術館開館10周年記念展「日本の美と出会う−琳派・若冲・数寄の心−」に行って来ました。 見つけてみよう!: 伊藤若冲「糸瓜群虫図」の中に11匹の生き物が描かれています。 会場で発見出来ました?詳しくは以前書いたこちらの記事で→11匹いる! 今年2月25日から大阪高島屋、3月11日より京都高島屋で開催された細見美術館開館10周年記念展「日本の美と出会う−琳派・若冲・数寄の心−」がやっと東京に巡回して来ました。琳派の一大コレクションを誇る京都・細見美術館所蔵の優品を一挙公開するこの展覧会。行かねばなりません。 そ・れ・な・の・に・・・6月3日から15日まで たった13日間しか開催しないなんて…高島屋のいけず。日本美術品そうそう長いこと展示出来ないのは分かりますが、もうちょっと展示期間あってもいいんじゃない。 く・わ・え・て・・・相も変わらず作品リスト作ら
すでに使っている人には今更なんですが、これから始めるって人向けに簡単なまとめ。 Tumblr といってもその用途は人それぞれ。自分の Blog として使う人もいるでしょうし、情報(ネタ)収集のツールとして使いたい人もいるでしょう。今回は情報収集 & クリッピングツールとしての使い方に主眼を置いて紹介してみようと思います。 アカウントを取得する とりあえず他の人をフォローしまくる ダッシュボードをしばらく眺めてみよう Reblog と Like Tumblr をもっと便利に使う Firefox を使え アドオン : Tombloo と Greasemonkey を入れる ユーザースクリプト : AutoPagerize, LDRize (+ Minibuffer), ReblogCommand, play on tumblr を入れる マイページなんて飾りです iPhone と Tumblr
太田記念美術館で開催中の 「芳年-「風俗三十二相」と「月百姿」-」に行って来ました。 月岡芳年(つきおか よしとし、天保10年3月17日(1839年4月30日)- 明治25年(1892年)6月9日)晩年の代表作である「風俗三十二相」と「月百姿」を前期後期に分けて全点公開している展覧会。 これは行かずにはいられません。 以前、千葉市美術館で「風俗三十二相」が全揃い展示されていたことありました(この時は壁のかなり高い位置に縦横32枚並べて掛けてあったので一枚一枚はじっくり観られず)。東京国立博物館の常設展でも時折32点の作品から数点ピックアップし公開されていたりします。 タイトルが「○○さう」(うるささう、いたさう、けむさう、あつさう、みたさう)っといった具合にストレートな表現となっているので「これ確かに寒そう!」とか「お灸熱そう!!」と感情移入容易にできるため、忘れっぽい自分でもよく覚えてい
2009年5月15日 素白随筆遺珠・学芸文集 5月の平凡社ライブラリー新刊より、 岩本素白『素白随筆遺珠・学芸文集』をご紹介します。 底本は『岩本素白全集』第2巻、第3巻(春秋社、1975年)。 「素白随筆集遺珠」34篇、「日本文学の写実的精神」8篇を収録。 みすず書房『素白先生の散歩』(在庫僅少だそうです)、 ウェッジ文庫『東海道品川宿 岩本素白随筆集』、 平凡社ライブラリーの既刊『素白随筆集 山居俗情・素白集』 とあわせてお読みください。 78年の生涯で研究論文集1冊、随筆集2冊だけを残した素白の文章が、 これでほぼ、あらためて一般に手に入りやすくなりました。 以下は池内紀さんの解説より。 どうしてだろう? ものすべてがおそろしく早々と忘れ去られるなかになって、 岩本素白はそうならない。 この世にくり返し、もどってくる。 まるでその名のとおり、ハデやかな色が急速に褪せてゆく
2009年5月8日 とらやの一筆箋 一筆箋というのは、なかなか便利なものですが、こちらは、 とらやの東京ミッドタウン店で購入した「棹菓子二十箋」(値段は失念)。 同封の説明書には次のように書いてあります。 虎屋に受け継がれる大正七年の『御棹菓子見本帖』。 そこに描かれたお菓子の意匠を二十選びました。 羊羹など棹物の鮮やかな配色と絵柄は、 移り変わる季節の美しいひとこまを、切り取っています。 一枚めくる毎に違う表情が楽しめる一筆箋です。 下の写真は「新花(しんはな)いかだ」という意匠。 「水に流れる桜の花びらを、筏に見立てた菓銘です」とのこと。 さすが「和菓子界のエルメス」でございます。 投稿者 平凡社営業部 時刻: 5/08/2009 ラベル: その他 0 コメント: コメントを投稿
2008年10月12日 【書評】茗荷谷の猫 今朝10月12日(日)の読売新聞朝刊に、 木内昇さんの『茗荷谷の猫』の書評が掲載されました。 評者は、精神科医の春日武彦さん。 すばらしい書評を書いていただているので、少し引用します。 (全文は後日「YOMIURI ONLINE 本よみうり堂」に 掲載されると思いますので、ぜひご覧ください) この寂しさ、そして喪失感とそれでもなお残っている 夢の断片の切実さを十分に描き切っているところに、 本書の深い価値がある。 どこか微妙にバランスを崩すようにそれぞれの短編は作られ、 しかしそれらが集合することで、 取るに足らないけれども痛切な心情の連鎖が 鮮やかに浮かび上がってくる。 もしかすると十年以上も経ったある日、 何かの連想から本書の中の情景が 不意打ちのようにして蘇ってくるかもしれない―― そんなことを思わせる不思議な力を秘め
太鼓のバチ皮に穴が開いてしまったので取り換えることにしました。 ↑もちろん調べは緩めた状態で作業をいたします。 糊はヤマト糊を使います。この次に取り換える時に剥がしやすければいいんです。 小皿にはお水を少々、古いバチ皮を剥がすためと糊を薄めるために用意します。 一番下に見えるのが新しいバチ皮です。宮本卯之助商店とか岡田屋布施とかで1枚500円くらいで売ってます。 ↑小皿の水で古いバチ皮を少しずつ濡らしていきます。 ↑古いバチ皮を貼ってある糊が溶けてきたら、端の方から少しずつ剥がしていきます。無理をしないように。 ↑右に置いたのが古いバチ皮。穴が開いてるの、わかります? ↑指に小皿の水を付けてヤマト糊をちょっとだけ薄めて新しいバチ皮に塗ります。 ↑太鼓の表皮の中心に置いて… ↑指で押さえつけて余分な糊を押し出します。 ↑終了。あとは乾くのを待つだけです。 Tweet
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