とある初老の男性に人生の目標を尋ねられたので、 「自分は身の丈にあった暮らししたいですね。今の年収をキープして、細々と生きていきたいです」と言ったら、 えらい剣幕で叱られた。「若いのにそんな低い意識でどうする。もっと多くを望め!」だそうだ。 若いといっても、自分は今年で30代中盤だし、これ以上人生に大きな変化が起きるとは思えない。 年収は平均よりも結構低い。仕事は辛い。幸い非正規ではないけど、将来に明るい展望があるわけでもない。 だから、いつの間にか無駄に夢を見るよりも、今の年収で身の丈にあった暮らしを続けていきたいな、と思うようになっていた。 そういえば、昔から親に「テストで100点獲ったら欲しいモノを買ってあげる」と言われても、 100点獲るのは面倒だからと、欲しいモノを諦めるという子どもだった。 自分の兄妹は100点を獲ろうと頑張る性格だったから、自分の諦め癖のようなものは親の遺伝と