お金に執着がなくても「ギャンブル依存症」に陥る人がいる。『ルポ 虐待サバイバー』(集英社新書)著者で、心理カウンセラーの植原亮太さんは「意志が弱い・だらしない人と思われがちだが、そうではない。幼少期に親から受けた心の傷が原因となるケースがある」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿の事例は、個人が特定されないように一部事実を加工しています。 ■「児童虐待」が原因となったギャンブル依存症 ドジャースの大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏の一件で、日本でも「ギャンブル依存症」が再注目されるようになった(DSM-5-TRというアメリカ精神医学会が発行する国際的な診断基準では「ギャンブル行動症」へと正式名称が改められたが、本稿では通称の「ギャンブル依存症」を用いる)。 「ギャンブル依存症」と聞いて、読者の方はどのようなイメージを持つだろうか。「意思の弱い人」などだろうか。一般的には「勝ったとき