ことわざに「彼も人なり、我も人なり」という教えがある。出典は明らかではないが、よく知られている。通常の意味は、「『彼』である他人にできることなら、同じ人間なのだから『我』である私だってできないはずはない、だから努力しよう」とされている。どんな偉人でも人間には違いないので、誰でも努力すればその偉業に近づくことができるという教訓でもある。 ことわざの理解としてはそれでよいが、社会人として生きていくと、このことわざの別の側面も感じられるようになる。私の解釈を紹介したい。ライフハック的な即効性には乏しいが、気に留めておくといつか役立つかもしれない。それは、組織を離れたら「彼も人なり、我も人なり」で、誰もが普通の人間だということだ。 組織の中にいたら、上下の関係にきちんと留意しなければならないが、誰もが組織の立場とは違った「人」としてのありかたを持っている。そこに基本的な配慮と敬意を持つようにしたい