ショーン・ペン監督の新作『プレッジ』は、孤高という表現が相応しい作品だ。もともとペンには、ただ監督を志すのではなく、監督として孤高の道を歩むことを自らに課していたところが間違いなくある。 ペンは監督デビューを飾る頃のあるインタビューで、「テレンス・マリックがもう1本撮ってくれたらいいなと思う」と語っていた。そんな彼の初監督作品『インディアン・ランナー』は、マリックと浅からぬ縁がある。この物語は、ブルース・スプリングスティーンのアルバム『ネブラスカ』に収められた<ハイウェイ・パトロールマン>がベースになっているが、スプリングスティーンが『ネブラスカ』の世界を生みだすうえで、重要なヒントとなったのがマリックの『地獄の逃避行』だった。 そして、監督第2作の『クロッシング・ガード』では、今度はカサヴェテスの『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』を参照する。この2本の映画は、主人公が殺しを余儀なくされ