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ブックマーク / hikarunoir.hatenadiary.org (4)

  • ウンスジ(?)が作るロールシャッハ。 - ひかる暗黒日記

    俺は未だにオムツのようなものをしている。別に失禁するせいじゃない。痔の傷が手術後も完全に塞がっておらず、常に傷が傷汁(きずじる)を滲出させているので、下着を汚さないためと、塗布する注入軟膏を定着させるためだ。ケツに生理用品のような綿入りガーゼを挟み込み、下着をつけ、その上から包帯を保護するネットのような形のパンツ(パンツ型ネット?)でガーゼを固定するという面倒なもので、これがあるせいでおちおち遠出ができない。無論外泊や旅行などもってのほかである。傷は露出しておらず、出血しても大した量ではないので生活上の苦痛は前回の手術でなくなったが、傷自体は存在し、そのためにまた肛門が狭窄を始めているので再手術の検討中というわけだ。 だから毎回ガーゼを取り替えると、ガーゼには傷の出すリンパ液が描く“ウンスジ(原因はウンコではないが、『三宅裕司のヤングパラダイス』風に、あえてこう表現する)”がその度ごとに形

    ウンスジ(?)が作るロールシャッハ。 - ひかる暗黒日記
  • エドワード・バンカーとの、八年間の回り道。 - ひかる暗黒日記

    エドワード・バンカー著、「アニマル・ファクトリー」読了。とうとうこれで、一昨年没した、伝説の作家の全作品を入手し、読破することとなる。長い旅だった。あれは確か8年ほど前、「ドッグ・イート・ドッグ」を手に取ったのが始まりだった。「あの頃のわたしは…まだ何も知らなくて…思えば…幸せだった!」(by楳図かずお『わたしは真悟』より)とでも言いたくなるほどの感慨。エルロイを発端としてこのジャンルに手を染めた俺が、帯に「エルロイ羨望」云々と書かれていたために、せいぜい軽く嗜むべきものと手に取った暗黒小説が、人生を左右することにもなってしまったということだ。それが良いのか悪いのかは不明だ。しかし、連動して、その時の記憶と、作品のリアルなディテールが蘇ってくる。 バンカーが「レザボア・ドッグス」に出演している俳優の一人で(「レザボア〜」はとっくに観ていたが、Mr.ブロンドの前に霞んでしまっていた、Mr.ブ

  • アフリカを汚した奴らの正体。 - ひかる暗黒日記

    ワーナー・ブラザーズさんのご招待で、「ブラッド・ダイヤモンド」試写へ。 立て続けに公開されるディカプリオ作品の第二弾。最近はいい仕事の選び方をしていると思うが、まだまだ日では正当に評価されているとは言い難い。しかし、今回はルックス的にも一種の“くたびれ感”が「ディパーテッド」以上に漂っていたのはポイントかも。トレーラーから娯楽要素の強そうな話とも思っていたが、実は超社会派で、その骨太さも大いに驚かされた。これでエドワード・ズウィック的にも「ラスト・サムライ」の失点は回復だろう。 シエラレオネの反政府ゲリラが国民を拉致し、ダイヤなどの鉱山で働かせ、それを活動資金にしているというのは、前にも聞いた事がある。民衆に支えられて革命を成し遂げるゲリラ像とはかけ離れた情けない姿だが、宝石・貴金属など、そうした背景抜きにはそもそも語れるものではない。 大体女が欲しがる高価なモノというのは基的に血塗ら

  • 2007-01-15

    ジム・トンプスン著、「失われた男」読了。馳星周が、「ホワイト・ジャズ」の解説で、エルロイ作品は特別で〜云々という様な事を書いていた気がしたが、俺にとってはトンプスンについて書くときその気持ちが解る。それほどトンプスンは特別だ。同じ様に感じている奴は他にもいるだろうが、俺には俺なりに特別なんだ、って気持ちを込めて書いてみたい。 ひとつ読み終える度に、人間性の余計な虚飾が剥ぎ取られて、核心に近づいて行くような気がしている。それは俺の人間性が薄皮を剥くように失われているのかも知れない。人間の表皮に覆われた魔物がずるりと姿を現すようだ。だが同時に“核心”と書くほどの大きなものに近づいている実感もある。それは近づいているものが、表面上絶望にしか見えないが、恐らく世界を構成している“真実”だからなのではないかという気がしている。 そして主人公は文字通り失われた男。原題は「Nothing man」。直訳

    2007-01-15
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