俺は未だにオムツのようなものをしている。別に失禁するせいじゃない。痔の傷が手術後も完全に塞がっておらず、常に傷が傷汁(きずじる)を滲出させているので、下着を汚さないためと、塗布する注入軟膏を定着させるためだ。ケツに生理用品のような綿入りガーゼを挟み込み、下着をつけ、その上から包帯を保護するネットのような形のパンツ(パンツ型ネット?)でガーゼを固定するという面倒なもので、これがあるせいでおちおち遠出ができない。無論外泊や旅行などもってのほかである。傷は露出しておらず、出血しても大した量ではないので生活上の苦痛は前回の手術でなくなったが、傷自体は存在し、そのためにまた肛門が狭窄を始めているので再手術の検討中というわけだ。 だから毎回ガーゼを取り替えると、ガーゼには傷の出すリンパ液が描く“ウンスジ(原因はウンコではないが、『三宅裕司のヤングパラダイス』風に、あえてこう表現する)”がその度ごとに形