ホンダが太陽電池ビジネスを加速する。来年度初めに化合物系太陽電池で変換効率の高い商品を発売するほか、今後も効率向上と低コスト、環境特性などを武器に事業拡大をもくろむ。世界的に太陽光発電が普及し、中国メーカーなどの参入によって低価格化が進む中で、ホンダはシリコンを使わない商品で差別化し、競争を勝ち抜きたい考えだ。 太陽電池は現在、原料にシリコンを使ったものが主流だが、ホンダが手がけるのは銅・インジウム・ガリウム・セレンという4種の金属化合物を使った「CIGS薄膜式」と呼ばれるタイプ。光が当たると、電気の元となるプラスの性質を持つ正孔がCIGS化合物に、マイナスの性質を持つ電子がCIGS化合物の上に重ねたバッファ層に集まる。両方の電極を結ぶと電気が流れる仕組みだ。 光を電気に変換する効率を示す変換効率ではシリコン系が最高レベルで20%を超えているのに対し、ホンダが来年度初めに投入する商品は13