昭和40年代後半になると日本酒蔵では、「このまま三増酒だけではいけない」「売れればいいだけの桶売りでは日本酒の将来はない」「自分が美味しいと思うお酒を造りたい」という若い世代が出現し始めます。酒屋さんにも全国で「自分の売っているお酒は本当に美味しいのか?」「こんな不味い酒じゃなくどこかに美味しいお酒があるはずだ」と目覚める若い世代がポツポツと現れ始めます。 昭和50年代は蔵元も酒屋さんも、志のある方々が自分たち自身が美味しいと思うお酒を造り売ろうとする試みに七転八倒した時期です。しかしながら、一般消費者の認識は「大手酒造=安心・美味しい・ブランド」が根強く、少しでも日本酒に興味がある方でもメディアで知った「幻の酒信奉」にこだわる方ばかりでした。 自らの足で探した美味い酒だけを店に置いても「なぁぁんだ、白○(大手ブランド)ないのぉ」とか「幻の○○は置いてない?」という客ばかり。「客はバカばっ