元号としては初めて、中国古典ではなく「国書」から引用されて注目された新元号「令和」。政権の姿勢が反映されたとの批判もあるが、日本最古の歌集・万葉集と元号が21世紀に出合った意味は何なのだろう。万葉集研究の第一人者で、令和の考案者であると有力視されてきた国文学者・中西進さんが18日、取材に応じた。 ――令和が新元号に決まりました。どんな感想を持ちましたか。 「僕などの意見を聞くまでもなく、世論調査で8割を超える人々が良いと答えています。僕自身もその人たちの中に入りますね」 ――安倍晋三首相は令和について「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味だと述べました。 「令和の典拠である万葉集の『梅の花の歌の序』は、九州の大宰府に役人ら32人が集まって開かれた梅花(ばいか)の宴についての説明文です。誰か一人が歌を詠んでいるのではなく、32人が歌を通して集い、心を通じ合わせている姿。そ