突然消えていく子どもたち 児童相談所の虐待相談対応件数は2015年に10万件を超えました。これは、児童相談所に寄せられた児童相談に対応をしてケースとしてカウントした回数で、単なる電話相談は含まれていません。 ただし、死に至る虐待は2008年頃から減少傾向にあるため、虐待が酷くなっているというよりも、怪しいと思ったら虐待通報をする機運が高まっているために相談件数が増えている可能性が高いと思います。 児童虐待に対する意識は高まっていますが、実際に酷い虐待があるとみなされた場合、子どもたちはどうなるのでしょうか。本稿では、最近私が執筆した『ルポ 児童相談所』(ちくま新書)の内容をもとに、子どもたちが過ごす児童相談所内の保護所について書きたいと思います。 虐待のみならず、貧困、疾患や子ども自身の非行などが理由で、一時的に保護をする必要があるとみなされた子どもたちは、児童相談所に併設されている一時保