広告が変わろうとしている。その背景はどこにあるのだろうか。それを、マーケティングとメディアの生態系の変化としてとらえているのが、世界的なコンサルティング会社ブーズ・アンド・カンパニーの岸本義之氏だ。これからの時代の新聞広告の役割も併せて聞いた。 ――今の広告が置かれている状況をどう見ていますか。 昨今の世界的金融不況の波が広告に影響がないとは言えませんし、それが短期的に企業の広告費にも影響を与えることは確かです。しかし、もう少し長期的な視点で重要なのは、マーケティングと広告の構造的な変化を認識することだと思います。私はそれを「生態系レベルの変化」だと言っています。 メディアの生態系が変化した ――具体的にはどういうことですか。 これまでのマーケティングとメディアの生態系は、40年以上前にテレビの普及とともに形成されたものです。テレビは、大勢に、かつ一方的に情報を見せるメディアで