書籍の電子化でどの出版社も頭を悩ませる問題の1つに違法コピー対策が挙げられる。いわゆるDRMの問題だ。Amazon Kindleや楽天Koboなど、並み居る大手電子書店も、扱う書籍のほとんどは何らかのコピー対策がほどこされている。 そうした中、自社の専門書をDRMフリーの電子書籍で販売開始したのが明治図書出版。創業100年以上の歴史を持つ老舗出版社の取り組みを、同社で電子書籍事業を担当する花田昌之氏に聞いた。 明治図書出版の歩み ―― 御社は教育関連分野で100年以上の歴史を持つ老舗出版社ですが、最初に明治図書出版の歴史を簡単にご紹介いただけますか。 花田 弊社は創業が明治45年(1912年)ということで、今年で創業102年になります。学校教員向けの「教育書」と、児童・学生向けの「学習教材」の2つを扱っています。 ―― 教育書は教科書や学習教材と呼ばれるような書籍とはまた異なるものなのです