電波時計の電波を発信する標準電波送信所=福島県都路村の大鷹鳥谷山で2011年3月23日、本社ヘリから川田雅浩撮影 時刻合わせをしなくても正確な時を刻む「電波時計」が、東日本大震災の影響を受けて一部の地域で誤差が出ている。時計に時刻などの情報を届ける「標準電波」送信所が、東京電力福島第1原発事故の避難指示の対象区となり、無人化して運用できなくなっているからだ。 電波時計は、日付や時刻などのデータを含む標準電波を1日に数回、自動的に受信して補正することで正確さを保っている。標準電波の時刻データは「10万年に1秒の誤差」という原子時計に基づき、福島県の大鷹鳥谷山(おおたかどややま)と、福岡・佐賀県境の羽金山(はがねやま)の2カ所から発信されている。約1000キロの範囲内ならば安定的に受信でき、二つの送信所で全国を網羅していた。 運用する情報通信研究機構(東京)によると、このうち大鷹鳥谷山は福島第