スカイマークの首脳陣が、体調不良で十分な声が出せない客室乗務員を交代させようとした機長の判断を認めず、運航を強行したのは、安全を脅かしかねない行為だとして、国土交通省は九日、西久保慎一社長と井手隆司会長を呼び、文書で厳重注意した。 同省によると、二月五日の羽田発福岡行き17便で、外国人機長が出発前、チーフ格の客室乗務員が風邪で十分に声が出せないことに気付き、緊急時の乗客誘導などに問題があると判断して交代を求めた。 しかし、事態を知った西久保社長と井手会長は「乗務に問題はない。なぜ飛ばない」と運航を命令。機長が拒否すると、自宅にいた別の機長を呼び出し、客室乗務員も交代せずに運航を強行した。同社は、命令を拒否した機長は「判断力に欠ける」として契約を即日解除した。