居心地のいい“よそ者”でいられる――徳島・神山町がITベンチャーに選ばれる理由:滞在して分かった独特の文化(3/3 ページ) “よそ者”による連鎖が、新しい神山の可能性を作り出す 神山町の企業誘致にみられる「来る者拒まず、去る者追わず」というスタンスや、町の人々の“新しいもの”に対する高い受容性。約10日間の滞在を通して、神山町にはある種の“ゆるさ”があると筆者は感じた。 移住者や芸術家を囲んで毎日のように行われるパーティーや、iPadを使い始めたAさんの例はもちろん、私自身も滞在中に「IT企業というのは、どうやって儲けているの?」と町の人から質問攻めにあったこともあった。この“ゆるさ”はどこから来ているのか。そこには2つの理由があるように思える。 1つは「四国八十八カ所巡り」で培われた、よそ者をもてなす文化だ。「神山町には第12番札所の焼山寺があり、昔から神山にやってきたお遍路さんに対し