人民元は今後も断続的に切り下げられる 8月11日、中国人民銀行は対ドルレートでの事実上の人民元切り下げを発表した。市場関係者にとって、これは全く予想外の出来事であり、この日、世界の株式市場はほぼ全面安の展開となった。 7月9日付けの同コラム(『ギリシャ問題よりもっと怖い!「中国株バブルの崩壊」』)で、筆者は、中国の政策当局が、中国株の暴落を起点とした金融危機を未然に防止するためには、中国人民銀行による量的緩和(QE)政策が必要であり、そのQE政策が効果的に機能するためには、人民元の(大幅)切り下げが実施される必要があると書き、切り下げの可能性がある点を指摘した。 統計で確認することは困難だが、今回の人民元切り下げに先立って、すでに中国人民銀行は、QE政策を実施しているとの話が一部から伝わっていた。筆者が伝え聞くところによると、中国人民銀行は政府系の金融機関に対して、地方債の購入を通じて資金