【カイロ=古谷祐伸】「世界最悪の人道危機」と言われる紛争が続くスーダン西部ダルフールの状況が、バシル大統領に対する国際刑事裁判所(ICC)の逮捕状発行を機に悪化している。バシル氏はICCを挑発するかのように外遊を繰り返し、29日には翌日から始まるアラブ連盟首脳会議に出席するためカタール入りした。 国連は24日、5月以降、ダルフールで100万人以上の住民が援助食料を受け取れなくなると警告した。バシル氏への逮捕状が今月4日に出た直後、スーダン政府が「国境なき医師団」など外国のNGO13団体を「ICCのスパイ」として追放したためだ。AFP通信によると、3100人以上のスタッフが追い出された。 世界食糧計画(WFP)の援助食料の配布が滞り、NGOが管理してきた85万人に飲料水を供給するポンプを動かせなくなる恐れもある。 国連安全保障理事会は26日、スーダン政府にNGO追放の撤回を求めたが、ス