突然ながら、最終回である。本連載はもともと全12回のお約束でお受けしたのだった。担当編集者(高野寛ファン)からは「このままずっと書いてくださいよ! 永遠に続いてる河を行け!」と言われていたが、私のほうが「いや、さすがに、オープンエンドで新婚してって、それはちょっと……」というわけで、突然最終回ならぬ、必然最終回である。 予定通りに偶然に 私生活を切り売りするエッセイなんて書くもんじゃない、と思っていた。【第11回】にある通り、不特定多数に対して結婚報告をするのは百害あって一利ない行為と思えた。けれど私とて立派な人妻、いつまでも新婚ステルスモードでビクビクしながら独身非モテに擬態して生き続けるわけにもいくまい。有限の日記とともに2013年のうちに「新婚」と決別し、堂々と書くことでその呪縛からみずからを解放するべきだ。【第1回】【第2回】辺りの喧嘩腰の文章に、その肩肘張った感じがよくあらわれて