形から入る多様化 多様性と言う言葉がもてはやされるようになって、私の勤め先でも人材や働き方の多様化を意識し始めるようになりました。もっとも、これは、世の中の動きに合わせようとする試みであって、社内の必要性から発したものではありませんでした。 元来保守的な企業風土の会社にあって、とりわけ、人事部は、入社以来、他部への異動をほとんど経験したことの無い“純粋培養”社員で固められていました。そんな、多様性とは対極的な部署が、既存の体制で会社の多様化を推し進めることは無理な話でした。 そこで、人事部は部内にダイバーシティ推進グループを設置して、そのグループリーダーを採用するところから始めました。そして、一足先に働き方改革を推し進めている会社から人材をヘッドハントすることにしたわけです。 当時私は海外駐在中で、そのような会社の動きを本社にいる人間から間接的に聞いていました。ダイバーシティ推進グループの