ブックマーク / momonori11.hatenablog.com (6)

  • 『弘明集』を読む(24) - Buddhist Narratology Laboratory

    牟子『理惑論』(15)仏伝④ ときに てんち おおいに うごき きゅうちゅう みな あきらかなり 時に天地大いに動き、宮中皆明かなり。 そのとき、天地が激しく震動し、宮殿のなかまで一気に明るくなった。 そのひ おうけの しょうえも また いちじを うむ 其の日王家の青衣(1)も復た一児を産む。 その日、〔釈迦族の王家の〕女奴隷が一人の赤ちゃんを産み、 【青衣】奴隷の別名。 きゅうちゅうの はくばも また はっくを にゅうす 厩中の白馬も亦白駒(1)を乳す。 厩舎の白馬もまた一頭の白い仔馬を産んだ。 【白駒】白い馬。ここでは白馬が生んだ白い子馬を指す。 ぬ あざなは しゃのく うまを けんだかと いう 奴字(1)は車匿(2)、馬を揵陟(3)と曰ふ。 その女奴隷の息子の名は車匿(チャンダカ)、白い仔馬の名は揵陟(カンタカ)と言った。 【字】名以外に付ける名前。あだ名。 【車匿】太子時代の釈尊

    『弘明集』を読む(24) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/02/11
  • 『弘明集』を読む(20) - Buddhist Narratology Laboratory

    牟子『理惑論』(11)序伝⑪ あらそわんと ほっせば すなわち みちに あらず 争はんと欲せば則ち道に非ず。 〔このような世間の人々の非難に対して、牟子は、次のように思った。〕「〔非難に対して〕論争をしようと欲するならば、それは〔自分の求める〕真理(道)からはずれたものとなる。 もくせんと ほっせば すなわち あたわず 黙せんと欲せば則ち能はず。 〔かといって、〕黙殺しようとしても、とても我慢できるものではない。」 ついに ひつぼくの あいだを もって 遂に筆墨の間を以て、 〔このように考えた結果、牟子は〕筆を執り、 ほぼ せいけんの げんを ひきて これを しょうげし 略ぼ聖賢の言を引きて之を証解し、 過去の聖人や賢人たちの言葉を引用しながら、〔自分の意見の正しさを〕証明し、〔自分への非難の愚かさを〕解説して、 なづけて ぼうし りわくと いうと いう 名づけて牟子理惑と曰ふと云ふ。 そ

    『弘明集』を読む(20) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/02/07
    勉強になります✨
  • 『弘明集』を読む(16) - Buddhist Narratology Laboratory

    牟子『理惑論』(7)序伝⑦ おとうとは ぎゃくぞくの ために がいせらる こつにくの つうふん かんじんより はっす 弟は逆賊の為に害せらる。骨肉痛憤肝心より発す。 「〔わたくしの〕弟は逆賊(笮融)によって殺害されしまった。血を分けた実の兄として、〔実の弟を殺されたという、〕このどうしようもないほどの悲しみ、どうしようもないほどの怒りが、心の底から次から次へとわいてくる。 りゅうといをして いかしめんとするに あたり 劉都尉(1)をして行かしめんとするに当り、 騎都尉劉彦を〔とにかく早く予章へ〕向かわせたいのだが、 【劉都尉】騎都尉劉彦のこと。 がいかいの ぎなん ぎょうにんの ふつうなるを おそる 外界の疑難、行人不通なるを恐る。 他の州郡から疑われ、軍隊が通過することを許可してもらえないかもしれない。 きみは ぶんぶ けんびにして もっぱら たいさい あり 君は文武兼備にして専ら対才有

    『弘明集』を読む(16) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/02/04
  • 『弘明集』を読む(15) - Buddhist Narratology Laboratory

    牟子『理惑論』(6)序伝⑥ ぼくの おとうと よしょうの たいしゅと なり 牧の弟、予章(1)の太守と為り、 交州の長官(州牧)の弟は、予章の太守であったが、 【予章】予章郡。現在の江西省北部。 ちゅうろうしょう さくゆうの ために ころさる 中郎将(1)笮融(2)の為に殺さる。 中郎将の笮融〔の裏切り〕によって殺された。 【中郎将】中国の官職名。宮廷の警護にあたる役で、将軍次ぐ位だった。 【笮融】後漢末期の武将。仏教寺院を造営したりと仏教徒として有名であったが、実際は仏教を利用して兵を集めていただけではないかと言われている。 ときに ぼくは きとい りゅうげんをして へいを ひきいて これに おもむかしむ 時に牧は騎都尉(1)劉彦をして兵を将ゐて之に赴かしむ。 交州の長官(州牧)は騎都尉劉彦に命じて軍隊を率いて〔予章に〕攻め込もうとしていた。 【騎都尉】中国の官職名。 がいかい あいうた

    『弘明集』を読む(15) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/02/02
  • 『弘明集』を読む(14) - Buddhist Narratology Laboratory

    牟子『理惑論』(5)序伝⑤ ぼうし おもえらく えいしゃくは ゆずり やすきも しめいは じしがたし 牟子以為へらく、栄爵(1)は譲り易きも、使命は辞し難し。 牟子は、〔次のように〕思った。「地位や名誉などというものは断ることは簡単だが、〔表敬訪問の〕使節としての命を辞退することはできない。 【栄爵】名誉ある貴い地位。 ついに げんに まさに いくべしと 遂に厳に当に行くべしと。 万全の準備をして〔荊州に使節として〕行くしかない。」 たまたま しゅうぼくに ゆうぶんの しょしとして これを めされたれば 会々州牧(1)に優文(2)の処士(3)として之を辟されたば、 〔しかし、そのとき牟子は、〕偶然、交州の長官(州牧)から、「優れた文章力を持っていながらも仕官していない(就職していない)者」として招かれ、 【州牧】州の長官。ここでは交州の長官。 【優文】文章を書くことに秀でていること。 【処

    『弘明集』を読む(14) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/02/01
  • 『弘明集』を読む(7) - Buddhist Narratology Laboratory

    僧祐「序」(7) ゆう まつがくを もってすれども こころざし くごに ふかし 祐、末学を以てすれども、志弘護に深し。 わたくし僧祐は、まだまだ浅学の身ではあるが、〔仏法を〕広め、守ってみせるという意気込みに関しては、誰にも劣らない。 せいげん ふぞくをして こころに ふんがいす 静言(1)浮俗をして、心に憤慨す。 だから、うわべだけの偽物の言葉や、〔欲望まみれの〕浮わついた俗世間に対して、どうしても腹が立ってしかたない。 【静言】実質を伴わない表現上だけの言葉。下心のある言葉。 ついに やくしつの びかん さんせいの よかを もって 遂に薬疾の微間、山棲の余暇を以て、 そこで、病気療養の合い間や、〔人里離れた〕山中での隠遁生活での余暇を使って、 ここんの みょうへんを えらび どうぞくの がろんを すぶ 古今の明篇を撰び、道俗の雅論を総ぶ。 古いものから最近のものに至るまで、論旨明快な著

    『弘明集』を読む(7) - Buddhist Narratology Laboratory
    mmayuminn
    mmayuminn 2021/01/25
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