材料といえば何かを作るための元になる物質という意味で使われる言葉ですが、「材料科学」と言えば科学の一分野で様々な用途のために使われる物質、およびその新材料を作り出すという機能を持つものです。 著者のミーオドヴニクさんはその材料科学の研究者でロンドン大学の教授です。 人類の現在の繁栄はいわば「材料によって為された」とも言えるほどのものです。 そういった、人類文明が作り出しそして逆に文明を支えて来たとも言える10の材料について語っています。 なお、著者は大学教授の傍らBBC放送で番組のプレゼンターも務めるという方ですので、その語り口もなかなかこなれたものとなっています。 取り上げられている材料は、鋼鉄、紙、コンクリート、チョコレート、泡、プラスチック、ガラス、グラファイト、磁器、生体材料というもので、いずれも古い新しいの差はあるものの文明を支えていると言えるものばかりです。 それらの材料につい