近年中国のワイン生産量および消費量が急増している。経済成長を背景に、今までアルコールと言えばビールや紹興酒、白酒等が中心だった消費者の嗜好が多様化した結果だ。 しかし、ワイン自体は中国において決して新しいものではなかった。 「ブドウ栽培とワイン醸造は、漢の武帝の時代(紀元前140年~紀元前87年)からおこなわれていました。武帝の命を受けて西域(中央アジア)へ遠征した外交官・張騫は、その際に現地からブドウの栽培方法とワインの製造方法を持ち帰ったためです。『大宛(当時中央アジアに存在した国)の人々は普段からワインを飲み、ワインはもっとも人気のある酒である。富裕な人は百万リットル以上のワインを10年ほど貯蔵している』と報告しています。武帝は長安(現在の西安)の宮中で大規模にワインを醸造させましたが、ワインが中国で根付くことはありませんでした。ブドウの収穫に合わせて醸造時期が限られてしまうワインに