会期:2010/10/27~2010/11/27 ミヅマアートギャラリー[東京都] もうそろそろ山口晃にマンガを描かせてあげたらどうだろうか? 余計なお世話を承知で言えば、思わずそんな独り言をつぶやきたくなるような展観だ。本展では「いのち丸」というキャラクターにもとづいた絵画や映像などが発表されたが、そのように考えたのは、具象的な絵はもちろんのこと、その形式にもマンガへの強い執着心を感じざるをえなかったからだ。冒頭に展示された絵画作品は、その下の壁に墨を垂らしかけたことによって、引き裂いた顔面を描いた絵のなかの流血が絵をはみ出して滴り落ちるように見せていたが、これはいうまでもなくかつて井上雄彦が「最後のマンガ」展で試みた手法である。井上の場合はマンガに依拠しながらもマンガという小さな枠をなんとかして打ち破ろうとする貪欲な意思を感じさせていたが、山口の場合はむしろ美術という高尚な枠からなかな
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