1996年までマーケティングがなかった銀行業界 横浜銀行は、1997年ごろからデータを活用したマーケティング活動を始めている。 銀行が誕生してから約130年間、それまで金融マーケティングというものがなかったという。 マーケティングが進まなかった理由として加藤氏は、「銀行はもともと、個人からお金を預かって大企業を中心に融資する仕事をしてきました。大企業への金融は、各社ごとのオーダーメイドです。また、行政の規制が厳しくて、店舗をここに出したいと言っても承認がないと出せず、商品開発や金利も自由にできない時代が長く続きました」。 「銀行を潰さないという護送船団方式の方針もあり、各行がそれぞれ工夫して差別化を目指し、独自性を発揮するようなマーケティングをやるのにも無理があった」のだという。 ところが、バブル経済が崩壊し、銀行も倒産する時代になった。大企業の銀行離れも進み、「リテール」に注力していかな