東日本大震災からひと月経たない2011年4月8日、日本心理臨床学会のサイトに一編の手記が掲載された。『被災地のみなさまへ』と題した一文は、遺族へ向けてこう語りかけていた(→PDFはこちら)。 〈おそらく現在のご心境としては、残念さと孤独感によって断腸の思いだとお察しします。私も今でこそこうして皆様にお話出来ますが、当時はとても人と話をしたり(する気になれず※筆者補足)、他人からのアドバイス等にも無関心でいました。ボランティアの皆様の援助さえも気に障ったことも、記憶しています。そうした心情は仕方なく、周りの人には許してもらいましょう〉 〈今現在で、自分の頑張れる期限を決めて(一週間が限度とか、一ケ月、一年、十年等……)とりあえずそこまで頑張って、またその時点で将来のことや、頑張る期限の延長とかを考えて頂いたら良いかと思います。今の心境で見えない将来の為に頑張り通すと云うのは、とても難しく無理