糖尿病の治療薬に大腸ポリープの再発を防ぐ効果があるとの研究結果を、横浜市立大の中島淳教授(消化器病学)らがまとめた。 大腸がんの発症予防につながる成果で、論文が英医学誌ランセットオンコロジー電子版に掲載された。 研究チームは、広く服用されている糖尿病治療薬の一つ「メトホルミン」を使う糖尿病患者が、使わない患者と比べ、大腸がんの発症が少ないことに注目。大腸がんになる前段階のポリープを切除した患者151人を対象に、メトホルミンの服用により、別の部位でのポリープの再発が抑制できるかを調べた。 その結果、メトホルミンを毎日服用したグループでは、切除後1年間のポリープの再発率が32%と、服用しなかったグループの52%を下回った。重い副作用は起きなかった。 研究チームの 日暮 ( ひぐらし ) 琢磨助教は「研究をさらに継続して、大腸がんそのものの発症を抑制できるかを検証したい」としている。