宝塚歌劇団に所属する劇団員の女性(25)の急死問題を受け、12月1日、阪急電鉄の村上浩爾取締役(56)が歌劇団の新しい理事長に就任する。村上氏は、歌劇団で宙(そら)組のプロデューサーを務めた経験があり、いじめやハラスメントを否定した11月の記者会見では、「証拠」にこだわる姿勢もみせた。村上氏は劇団員の養成機関「宝塚音楽学校」の理事長も兼任し、同校と歌劇団との組織風土改革を一体的に進める方針だが、険しい道のりとなりそうだ。 会見対応に批判殺到村上氏の存在が一躍、クローズアップされたのが11月14日、兵庫県宝塚市内で行われた会見での発言だ。歌劇団は、外部の弁護士らによる調査チームの報告書に基づき、劇団員の過重労働は認めたものの、いじめやハラスメントを否定。遺族側が「ヘアアイロンを押し付けられた」と再検証を求めたことについて、村上氏が「証拠となるものをお見せいただくよう提案したい」と発言した。