2018年3月24日のブックマーク (1件)

  • 完璧な悪夢『夜のみだらな鳥』

    これは凄い。 これは凄い。 これは凄い。 どろり濃厚ゲル状の夢に、呑まれ、溺れ、とり憑かれる体験。息詰まるような読書、いや毒書である。7年前の初読時、この毒に中った。極彩色の悪夢を直視する経験は、[劇薬小説『夜のみだらな鳥』]に書いた。以後、中毒状態だったのだが、書は長いあいだ絶版状態となっていた(Amazonで平気で諭吉してた)。 それが、水声社から復刊された! これは事件といってもいい。誰でも手に入る状態で、日中にこの悪夢が解放されているのだから。これでいつでも、完璧な悪夢を見ることができる。なぜか? それは、常識を超えた毒書になるから。 物語の体をした小説は、語り手によって伝えられ、読み手によって受け止められる。一人または複数の語り手は、ふつう「出来事そのもの」や「因果の果」に相当するところから話を始める。語り手は騙り手でもあるから、読み手は騙されないよう気をつけつつ、「なぜそれ

    完璧な悪夢『夜のみだらな鳥』