鈴木さんの現在の役職は、福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センターの副所長兼醸造・食品科長。福島県ハイテクプラザとは、福島県内のさまざまな産業の振興や技術支援のために県が設置した研究機関です。 鈴木さんが勤務する会津若松技術支援センターでは、日本酒をはじめとする食品のほか、漆器や陶芸のデザインなどを担当しています。 福島の日本酒は、鈴木さんが技術指導に就いてから目覚ましい進化を遂げました。金賞受賞数日本一が話題にのぼる昨今は、各地の酒造組合や日本酒関係者からの講演依頼も殺到。ユーモラスな人柄も相まって、鈴木さんの名前は広く知られるようになりました。 金賞獲得のための「吟醸酒製造マニュアル」とはいえ、それもここ10年ぐらいの話。1990年の全国新酒鑑評会では、金賞を受賞した酒蔵がゼロという苦い記録も残されています。鈴木さんが日本酒の担当に就いたのは、まさにそのころでした。 「当時は、新潟