調達資金は長期の研究開発資金に充当、 自社株買いで既存株主にも不利益なし 約5年間は売却ができないが、元本保証で最高2.5%の利回りの配当が確定していて値上がり益も狙える株。超低金利の今、個人投資家にとって夢のようなこの株を発行するのが、前期に日本企業初の純利益2兆円突破を達成したトヨタ自動車(7203)だ。そもそもトヨタがこの新トヨタ株(正式には「AA型種類株式」という)を発行する目的とは何なのか。 トヨタ自動車広報部の担当者は次のように語る。 「自動車の企画開発から製造販売のビジネスサイクルは中長期にわたっており、これを受けた研究開発資金の調達方法として、中長期の保有を前提とする種類株式の発行を進めることになりました」 調達する資金は約5年間は動かない安定資金となるため、トヨタにとって中長期の研究開発には好都合だが、既存の株主に希薄化のデメリットは発生しないのか。 「トヨタはこの新株の