がん患者が利用する健康食品や、様々な治療法――通常の医療とは別の、いわゆる「代替療法」をいま、日本のがん患者の2人に1人が利用し、市場規模は1兆円に及ぶと言われている。 しかし、効果が科学的に証明されていない代替療法も少なくなく、どの情報を信頼すればいいのか、患者たちは大きな悩みを抱えている。さらに見過ごせない問題が、「がんが治る」と言って金儲けをする、悪質業者の存在だ。 「がん代替療法」を巡って、いま何が起きているのだろうか? 患者の不安にどのように向き合っていけばいいのだろうか? 代替療法を 手探りで探す患者たち 千葉県に住む鈴木清子さん(50)。一昨年、卵巣がんが見つかった。手術を受けたものの、がんはリンパ節や肝臓に転移。「何とか治す方法を探したい」。夫の亨さん(58)は、友人の口コミや本を頼りに、様々な代替療法の情報を集めてきた。 友人の薦めで購入した、一箱10万円のお茶。さらに、