「その美しさに惹かれ命を落としてしまう気持ちというものは、こういうものなのだろう」。そう語る久美子の心情が「私は今、この時なら命を落としても構わないと思った」と言い切るまでに変化する様子を捉えたBパート終盤。それはまるで久美子の瞳に映る世界をありのままフィルムに収めたかのように感情的で、とても煽情的な、まるで「夢でも見ているかのような」映像そのもののように思えました。 それも「特別になりたい」と語る麗奈の本心は未だ見抜けないままにあって、その心意気を帯びた姿に類稀な美しさを感じたそれは、久美子の心情そのものでもあったのだということ。 星々が輝く夜空の如き夜景でさえ、彼女を前にしては決して主役には成り得ない佇まいと美しさ。それも黄前久美子という一つのフィルタを通して観れば「自らの命と等価である」とまで思わせる程に、それはとても魅惑的な存在であったということに他なりません。久美子の心を覗くよう