今回は、慶應義塾大学先端生命科学研究所の所長であり、同大学の環境情報学部教授でもある、冨田勝(とみた・まさる)さんにお話を伺った。 冨田さんは慶應義塾大学工学部を卒業後、アメリカのカーネギーメロン大学コンピューター科学部で、人工知能や自動翻訳の研究を行った。そこから生命科学の研究に転じ、細胞シミュレーションやメタボローム解析といった分野の第一人者となっている。 このようにアカデミックな経歴を持つ冨田さんだけに、我々ゲーマーとは縁遠い存在のように思われるかもしれない。ところが冨田さんは、大学生時代に『スペースインベーダー』と出会い、周囲から“名人”と呼ばれるレベルのプレイヤーになったことが、その後の研究人生にとって非常に大きな影響を与えているのだという。 『スペースインベーダー』ブームやパソコン黎明期の知られざるエピソードから、チェスの世界チャンピオンに勝利したコンピューター“ディープ・ブル