CDが売れなくとも、アーティストが生き残れるようになった10年代。一過性のブームが多発した90年代までの「常識」はもはや過去のものになった。では、なぜこうした状況が生まれることになったのか? バンドのみならず、アイドルまでもが長生きできるようになった理由とは? 話題の新刊『ヒットの崩壊』から特別公開! 終わらなかった「アイドル戦国時代」 バンドやミュージシャンだけではない。アイドルグループも「長く続けられるもの」になってきている。 かつては全くそんなことはなかった。たとえば、秋元康のプロデュースにより1985年にデビューした「おニャン子クラブ」は、彼女たちを生み出した番組『夕やけニャンニャン』の終了と共にわずか2年半で解散。1987年にデビューし社会現象的な人気を築き上げた光GENJIも、90年代に入るとブームは沈静化、大きく人気を落としている。 アイドルグループの「寿命」は数年。それが9