孤独死はもはや高齢者に限った問題ではない。10年以上のキャリアを持つ特殊清掃業者は「急性心筋梗塞による孤独死は、働き盛りの30代、40代の男性に圧倒的に多い」という。ノンフィクション作家の菅野久美子氏が聞いた――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、菅野久美子『家族遺棄社会 孤立、無縁、放置の果てに。』(角川新書)の一部を再編集したものです。 ■孤独死の8割以上は65歳以下の現役世代 数々の孤独死事例を取材したが、最も衝撃を受けたのは、30代、40代も含む現役世代の孤独死がより深刻だということだ。孤独死現場の遺品などを見て感じるのは、何らかの事情で人生の歯車が狂い、その場に崩れ落ちてしまった現役世代の姿である。 原状回復工事に携わって、10年以上のキャリアを持つ塩田卓也は現役世代の孤独死現場と日々向き合い葛藤している特殊清掃業者の一人だ。塩田は、特殊清掃業者、武蔵シンクタンクの代表を務め