今回こそ最終回です。ほぼ私見で埋められていますが、最後までお付き合い頂けたら幸いです。 宗教に見る性の変遷 ~第1回 古代蛇信仰と性~ 宗教に見る性の変遷 ~第2回 古代美術と性①~ 宗教に見る性の変遷 ~第3回 古代美術と性②~ 宗教に見る性の変遷 ~第4回 現代に続く性風俗の系譜①~ 前回のあらすじ 「おそくづ」から発展した春画は娯楽用品であるとともに、性の手引書としての役割も担っていた。性の技巧を習得することは夫婦生活を円満にするだけでなく、とりわけ男性にとっては一種のステータスであったのではないかと推測される。では、その身につけた技はどこで活かされていたのだろうか? 遊里の隆盛と性風俗の取締 浮世絵の進化を促した元禄文化は、江戸時代から始まった遊里の影響を強く受けているものであった。江戸時代に発展した吉原遊廓は幕府公認の遊廓で、その発展の背景には当時の身分制度である“士農工商”が大