下げ止まらぬ内閣支持率を受け、岸田首相は方針を一転し、旧統一教会の被害者救済新法を今国会に提出する意欲を見せたが……。(写真:GettyImages) 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題について、今国会中に被害者救済の新法を作ろうという政府及び与野党の動きが慌ただしい。被害者救済のため、迅速な対応をしていこうという大義はいいが、法制定となれば、必要・効果的な対策を、十分な議論と適正なプロセスを踏んで行わなければならない。しかし、十分な検討は置き去りにされ、それぞれの政治的な思惑が優先されていないか、気がかりな状況だ。 “迅速”な対応を世論に印象づけたい? 漂う政治的思惑 そのひとつは、宗教法人法に基づく質問権の行使と、宗教法人解散請求に向けての政府・与党の動きだ。 解散請求の要件に民法の不法行為が入るかどうかを巡って、岸田首相の国会答弁が一夜にして「入らない」から「入る」に変化したのが