近年、女性が女性であるために殺されたことをフェミサイドと「定義」し、なぜか日本ではフェミサイドが多いと思わせるような論考*1が人口に膾炙(かいしゃ)されつつあるのだが、そんなことは言えないので指摘したい。日本は女性の殺人被害者が多いというような主張はデータの見方がおかしいし、そもそもフェミサイドは女性と言う属性への憎悪犯罪のように見せかけつつ、女性が被害者の殺人事件の大半を含んでしまう用語なので、バズワードとして利用を避けるべきだ。 1. 殺人事件から未遂を除いた国内比較で女性被害者が多い 問題となる論考は、警察庁「刑法犯に関する統計資料」の各年版を参照した上で、殺人未遂事件を除けば、男性よりも女性の被害者数の方が多いことを問題にしている。平成30年版を切り出すと以下となっている。比率にすると女性が大多数とは言えないが、国外では殺人事件被害者は女性の方が多いことから考えると、特異性があるの
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