東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 坂井修一教授 データフロー型と呼ばれるコンピュータアーキテクチャがある。これは、現在のコンピュータの基礎をなすフォン・ノイマン型とは異なるコンピュータアーキテクチャである。このデータフローマシンは1970年代に米MITで着想され、その後1980年代にかけて世界的に研究開発が進められた。その中で、国内では1986年よりデータフローマシンの「EM-4」が電子技術総合研究所(現:産業技術総合研究所)にて開発される。その時、アーキテクチャの研究及び試作機の開発を担当したのが、当時電子技術総合研究所に在席した坂井修一氏(現:東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻教授)らである。今回、この坂井修一氏にデータフローマシンから将来のコンピュータに至る展望を伺ったのでご紹介したい。 データフローマシンとアウトオブオーダー処理技術 現在のコンピュータは、