自分が苦境にあるときは、「同じことを経験済みの他者」に相談して共感を得たくなるものだ。しかしその相手は、実は最も共感してくれない――こんな意外な事実が研究で示された。 あなたは、初めて子を持つ親になったばかりだとしよう。とにかく大変で、消耗し、仕事のパフォーマンスは落ちていく。そこで、パートタイムで自宅勤務としてもらい、家族の世話をする時間を増やしたい、と切実に望んでいる。 上司の1人は、かつて出世の階段を上っているときに子どもがいた。もう一方の上司には、子どもがいなかった。さて、あなたの要望を聞き入れてくれる可能性が高いのはどちらの上司だろうか。 ほとんどの人は、子を持つ上司に相談すべきだと考えるだろう。同じ経験をしているのだから共感を得やすい、と直感的に思うからだ。何といっても、彼女も「その道を通ってきた」わけだから、あなたの状況を理解しやすい立場にあるはずだ。 ところが、筆者らの最近