ピアスを開けたのは高校を卒業した時だった。 なにかを変えたいとかそういった思いの他に、ただ単純に可愛いピアスをつけたかったのだ。それまで好んでイヤリングをしていたが、知らぬ間に落としてしまったり長時間つけていると耳たぶが痛くなったりしたため、どうにか改善できないかと思っていた。その頃、ピアスの市場が拡大をはじめ、可愛いデザインのイヤリングは少なくなり、店頭で「かわいい!」と思うものは決まってピアスだったのがピアスを開ける一番の決め手だったと思う。 バイト先でピアスを開けようと思うと話したら、一緒に働いていたおばさん(40代)が「それなら使わなかった18Kのファーストピアスがあるからあげるわよ」と言った。ファーストピアスはピアスホールを形成するため、軸が太めのしっかりしたものが良いのだとその時教えてもらった。私は頂いたピアスを家に持ち帰ってから、母に「ピアスを開けたいんだ」と伝えた。母は「良
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