唐突ですが、「基礎から分かるファイナンス法」というテーマで、不定期で(←これ重要)記事を書いていこうと思います。コンセプトは、いくつかの代表的なファイナンスのスキームを取り上げ、その背後にある考え方を法的な観点から解説してみる、というものです。 1.なぜ書こうと思ったのか:ファイナンス案件との出会いと苦悩私の弁護士としてのキャリアは、ある企業のインハウスから始まりました。 入社初日はオリエンテーション的なもので、実質的な業務を開始したのは二日目からでした。朝出勤すると早速マネージャーから声をかけられ、「午後に打ち合わせがあるから、それまでに目を通しておいて」と、紙の束を渡されました。それは、100ページを優に超える契約書のドラフト、それも、国内案件でこれを超えるものは(少なくとも当時は)ほぼないであろうという規模のファイナンス案件に関するものでした。 いきなりすぎて面食らいつつも、「そうい
ソフトウェア開発プロジェクトは、「兼務」を用いるチーム編成が多用されやすい対象ではないでしょうか。エンジニアであれば誰もが経験したことがあるでしょう。1人で複数のプロジェクトやチームを掛け持ちするあれです。マネージャーであれば、組織の人的リソース配置を考える時の手段の1つとして用いたことが何度かあるはずです。 しかし、兼務が引き起こす様々な弊害や問題については、あまり意識されないまま多用されているように感じます。 たとえば、兼務者本人にとってプロジェクトの掛け持ちは、仕事のマルチタスク化やミーティングの増加に苦しむ原因になります。組織の観点からも、兼務への依存は、知識の偏りや負荷の偏りという弊害をもたらすことに繋がりかねません。プロジェクトの観点から見ると、兼務という形での「人的リソースの共有」は、プロジェクト間での「リソースの競合」を引き起こしやすく、それが市場投入までの時間を長くする要
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く