わが青春。 紅顔の高校生だった頃。 生きているとはどういうことか、 努力して、何かを達成したからといって、 死んでしまえば意味がないじゃないか。 人並みに、そんなことを考えていた。 それで、ニーチェにはまった。 『悲劇の誕生』の中の、「世界は美的過程として のみ是認される」という言葉が あの頃のわがモットーとなった。 『ツァラトゥストラ』の 中にある「舞踏」(tanzen「タンツェン」)という 概念をわが守護神とした。 問うな。ただ踊れ。 自分のうちなるリズムを宇宙に向かって 開いていけ。 そのような生命哲学が 高校の時の私の気分にぴったりきた。 大学生の頃、「モーツァルト・モード」 というのを発明した。 ある晴れ上がったような気分を表す。 平明さの中に、迅速に全てがなされていく。 様々なことが生起していく。 一種のフロー状態。 思えば、あれは個人思想系列的に言えば、 ニーチェの「タンツェ